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ハダニは、あたたかい時期は葉の裏側に付いて液を吸いますが、寒くなってくると葉は落ちますのでバラには被害がなくなります。そして寒くなると株元に移動し薄皮の中に入り込んで越冬します。そのため、この時期は葉に薬剤散布してもあまり意味がありません。
気軽にまけるベニカナチュラルスプレーはおすすめです。ハダニの成虫、幼虫はもちろん、卵にまで効きますので、まいておくと安心ですね。回数制限がないのが使い勝手がよく、篠宮バラ園スタッフも愛用しています。
春から夏にかけても黒星病は出ますが、その頃に黒星病が付くと葉が落ちてしまい光合成がしっかり出来なくなります。すると木が充実せずに株が弱ってしまいます。春から夏にかけては薬剤散布をしっかり行い、木を充実させる時期です。

こんにちは、篠宮バラ園です。
バラにはたくさんの品種がありますが、中には「あまり大騒ぎはされないけれど、プロの生産農家が心からおすすめしたい」という隠れた名品種が存在します。
今回ご紹介するのは、園主が「本当に大好きで、自宅にも植えている」と熱弁する、イチオシのつるバラ「レッドキャスケード」です。
「派手なバラもいいけれど、長く寄り添える落ち着いたバラが欲しい」「初心者でも失敗しにくい丈夫なつるバラを探している」「大きいつるバラは面倒見切れない」という方に、ぜひ知っていただきたい魅力がたっぷり詰まっています。
当園のYouTubeチャンネル、そして世界の愛好家データも交えながら、そのおしゃれな魅力と育てやすさの秘密を分かりやすくお届けします!
目次
レッドキャスケードは、1976年にアメリカで誕生した、50年以上の歴史を持つクライミングミニ(つる性のミニバラ)です。
作出者は、あの超人気ミニバラ「グリーンアイス」や「スイートチャリオット」「ライズンシャイン」を生み出し、世界中で“ミニバラの父”と称えられる伝説的な育種家ラルフ・ムーア(Ralph S. Moore)氏です。
お店の園芸コーナーやバラ園では、大輪で華やかな品種に目が留まりがちですが、レッドキャスケードは少しシックで落ち着いた雰囲気があるため、意外と素通りされてしまうことも多い隠れた名品種なんです。
実はこのレッドキャスケード、ただの隠れた名品種ではありません。アメリカバラ協会(ARS)からその優れた性質を高く評価され、輝かしい賞を受賞しています。
一過性の流行ではなく、誕生から何十年もの時を経てもなお「歴史に残すべき偉大なミニバラ」として殿堂入りまで果たしている、折り紙付きの名作なのです。

世界中のバラ爱好家が集まる専門データベースサイト「HelpMeFind」。このサイトは、初心者向けというよりも、膨大な品種を育ててきた「本当にバラを愛するコアな知識層(通な人たち)」が集まる場所として知られています。
そんな目の肥えた世界のバラフリークたちによるユーザー投票において、レッドキャスケードは「EXCELLENT-」という最高クラスに近い極めて高い評価を獲得しています。
流行りの派手さはありませんが、数々のバラに触れてきたベテラン勢が「これは本当に素晴らしいバラだ」と口を揃えて熱い一票を投じている事実こそが、このバラの隠れた実力を何よりも物語っています。
バラ生産50年以上の経験を持つ園主が「間違いない!」と太鼓判を押す、具体的な魅力をご紹介します。
一般的に、大きく伸びるつるバラは春の一時期しか咲かない「一季咲き」が多い傾向にあります。しかし、レッドキャスケードは秋まで期間を置いて何度もよく咲いてくれる(返り咲く)という、つるバラとしてはとても貴重な性質を持っています。お庭や玄関先で、長い期間かわいい赤い花を楽しめるのが大きなメリットです。
テリハ(照り葉)の濃いグリーンに、深みのある赤。お花のサイズが小さくフリルがかかっていて、たくさん寄り添って咲く姿は本当におしゃれです。
「レンガの壁や玄関回りに合わせると、驚くほど落ち着いた良い雰囲気になる」と園主。派手に主張しすぎず、建物やお庭を引き立ててくれる上品さを持っています。
どれだけ美しくても、育てるのが難しくては大変ですよね。レッドキャスケードは非常に病気に強く、樹勢も強い「強健」な品種です。プロの生産現場の目から見ても、初心者の方が育てて「失敗しにくい」と言いきれるほど丈夫なので、安心して迎えられます。
レッドキャスケードのもう一つの大きな特徴は、「遅咲き品種」であるということです。
春、お庭の早咲きのバラや大輪のバラたちが満開を迎え、少しずつお花が終わりかける頃(後半戦に入った頃)に、レッドキャスケードは「これから咲くよ!」とたくさんのつぼみを膨らませ始めます。
周りのバラのお花がちょっと一段落した寂しい時期に、バトンを繋ぐようにして満開になってくれるため、お庭全体の開花時期をずらして「バラを長く楽しむ」という贅沢なリレー栽培ができるようになります。
つるバラを育てるうえで避けて通れないのが「誘引(枝を仕立てる作業)」と「棘(とげ)」の問題ですよね。レッドキャスケードはこの2つのストレスが驚くほど少ないです。
この「しなやかで横に広がりやすい」という特性を活かして、通常の仕立てだけでなく、以下のようなユニークな仕立て方も可能です。

派手さはありません。大きなバラでもありません。それでも、一度お庭に迎えれば誰もがその底力に魅了されてしまう――レッドキャスケードは、そんな本物の魅力を持ったバラです。
「目立たないからこそ、良さが分かると本当に愛おしい。素通りされちゃうのはもったいないよね」と、園主が切実に語る理由もここにあります。
バラ生産50年以上の歴史を持つプロの生産農家が、自身の自宅や農場に植え、世界の目の肥えた愛好家たちからも絶賛されているという事実こそが、このバラの素晴らしさを何よりも証明しています。
「丈夫でよく咲くバラが欲しい」「玄関回りをシックに彩りたい」、あるいは「一味違う仕立てに挑戦してみたい」と思っている方は、ぜひこの隠れた名品種をお庭に迎えてみませんか?
後からきっと「ああ、本当にいいバラだわ」と実感していただけるはずです。

▼YouTube本編はこちら
【俺が好きなバラ!】レッドキャスケード よく返り咲く小輪のつるバラ 棘が少ない 枝がしなやかで仕立てやすい オベリスクアーチポールOK! 丈夫で初心者向け
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いつも篠宮バラ園をご利用いただき、誠にありがとうございます。
この度、段ボールをはじめとする梱包資材の度重なる高騰に加え、人件費や物流経費などの諸経費上昇に伴い、誠に恐縮ながら送料および送料無料ラインの改定を行うこととなりました。
これまで価格の維持に努めてまいりましたが、度重なる諸経費の値上がりにより、従来の送料を維持することが大変困難な状況となり、今回の改定に至った次第でございます。
お客様にはご負担をおかけすることとなり大変心苦しい限りですが、今後も大切なバラ苗・各種商品を安全・丁寧にお手元へお届けするため、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
詳細は以下の通りとなります。
商品ジャンルによって送料計算や同梱ルールが異なります。ご注文の際はご注意ください。
| 地域(対象都道府県) | 変更前送料 | 変更後送料 |
|---|---|---|
| 関東 (東京、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、山梨、神奈川) |
1,280円 | 1,480円 |
| 中部・北陸・信越・南東北 (静岡、愛知、岐阜、三重 / 富山、石川、福井 / 長野、新潟 / 宮城、山形、福島) |
1,400円 | 1,500円 |
| 関西・北東北 (京都、滋賀、奈良、和歌山、大阪、兵庫 / 青森、秋田、岩手) |
1,500円 | 1,600円 |
| 四国・中国 (香川、徳島、高知、愛媛 / 岡山、広島、山口、鳥取、島根) |
1,600円 | 1,700円 |
| 九州・北海道 (福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島 / 北海道) |
1,800円 | 1,900円 |
| 沖縄 (沖縄) |
3,500円 | 3,600円 |
| 送料無料ライン (※下記注意点あり) |
合計金額が 税込16,500円以上※ |
合計金額が 税込18,000円以上※ |
⚠️ 【春苗・IB肥料・有機肥料】の送料無料に関する重要な注意点
今後とも、お客様に満足していただける商品とサービスの向上に努めてまいります。
変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
畑の土の粒と同じ程度の大きさです。
目や足が確認できました。どうやら虫のようです。
こちらは先ほどよりもフワフワが少なくからだがよく見えますね
この虫は、アミガサハゴロモ類の幼虫です。
アミガサハゴロモの仲間の幼虫はどれも似た姿をしていますが、近年特に市街地でよく目にするようになったものは「チュウゴクアミガサハゴロモRicania shantungensis(Chou&Lu,1977)」という外来のハゴロモです。
そもそもハゴロモとは何でしょう。
あまり聞き馴染みのない方も多いかもしれません。
ハゴロモはカメムシ目(半翅目)に含まれる昆虫です。
大きさは1㎝未満のものが多く、触ったり驚いたりするとピョンッと消えたかのようにジャンプするのが特徴的です。
カメムシ目の中でも、特にセミに近い仲間です。
もし興味があったら、ハゴロモの顔や体を拡大して見てみてください。セミのような姿形をしています。
セミに近い仲間ですが、他にもアワフキ・ツノゼミ・ヨコバイ・ウンカとも分類上近い仲間です。
☆チュウゴクアミガサハゴロモ
近年急拡大しているのがチュウゴクアミガサハゴロモです。
2015年に大阪で発生が確認されて以来、現在では関東以西の本州・四国・九州の広い範囲で生息確認されています。
この記事ではチュウゴクアミガサハゴロモのことを「外来ハゴロモ」として扱います。
○幼虫
幼虫は全身が白く、白いフワフワを背負っています。
このフワフワはロウ物質でできています。
ジャンプ力を生かして飛び上がり、このフワフワで風に乗って遠くに行くことができるようです。
孵化して間もないうちの幼虫は集団生活します。
なので枝にびっしりいることがあります。
○排泄物による被害
成虫・幼虫ともに排泄物が植物に付着するとすす病を引き起こします。
特に幼虫は大量に群れていることが多いので、より病気発生の可能性を上げてしまいます。
○産卵痕による被害
外来ハゴロモの産卵痕は変わった見た目をしています。
枝に白いフワフワが擦りつけられているように見えるのです。
外来ハゴロモは産卵する時、チュウレンジのように枝の中に卵を産むため枝に切れ込みができます。さらに、幼虫が背負っているような白いフワフワでその切れ込みを覆い隠します。
なので、もし産卵痕を見つけて白いところを拭っても、中に卵があるのであまり意味ありません。
またハゴロモは細い枝に好んで産卵します。
細い枝の中に産卵されると枯れる場合があります。
以上のことから、産卵痕は見た目が悪くなるばかりでなく、樹勢を弱めてしまう可能性や枝によっては枯れます。
吸汁性害虫なのでオルトラン水和剤やベニカ水溶剤などの浸透移行性剤に効果は期待できますが、
チュウゴクアミガサハゴロモは近年侵入し広がったものなので、メーカーによる農薬などの効果がまだ確認できていません。
もし外来ハゴロモに対して殺虫剤を使用する場合は自己責任でお願いします。
山梨県からは防除対策として産卵痕のある枝は土中深くに埋めるか焼却処分するように紹介しています。
当園からは、産卵痕のある枝の廃棄と捕殺をおすすめします。
枝は焼却が一番確実ではありますが、一般家庭で焚火するのは難しいでしょうから、燃えるゴミに出すのが良いですね。
白いフワフワを背負った虫はハゴロモ類の幼虫でした。
近年、大量発生しているこの虫はおそらく外来のハゴロモです。
外来のハゴロモは一種ではなく、複数が確認されていますが多くがチュウゴクアミガサハゴロモと推測します。
外来ハゴロモと見た目が似ている在来のハゴロモも存在しています。
バラに対しての害は、チュウレンジのような切れ込みの産卵痕、カイガラムシやアブラムシのような吸汁による衰弱や排泄物によるすす病があります。
バラだけでなく、多くの植物を利用します。
白いフワフワの虫が1匹いたところで「外来ハゴロモ!滅すべし」とするのはよろしくないですが、たくさん群れていたりするとカイガラムシやアブラムシと似たような症状が出てしまうため、たくさんいた場合には捕殺するか殺虫剤の使用を検討してみてください。
山や森の中のふかふかした場所を歩いたことはありませんか?誰もお手入れをしていないのに、山の木々や植物は毎年元気に青々と育ちますよね。その秘密が「堆肥」と同じ仕組みにあります。
秋になると木から葉っぱが落ち、それが地面にどんどん積もっていきます(堆積)。その落ち葉や動物たちの糞を、土の中にいる目に見えない微生物(バクテリア)たちが時間をかけてゆっくり分解(腐らせて)していきます。
お店の園芸コーナーに行くと、堆肥のすぐ横に「バラの培養土(ばいようど)」も並んでいますよね。「どっちを買えばいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
「うちのお庭にはもうバラが植わっているんだけど、どうやって堆肥を足せばいいの?」という方も安心してください。
一般的には「株の周りに穴を掘って混ぜる」と言われることが多いですが、すでにしっかり根が張っているバラの周りを無理に深く掘ると、大切な根っこを切ってしまう危険があります。
そこで、園主が実践している「一番ラクで失敗しない裏技」をご紹介します。
やり方は驚くほどシンプル。「バラの株元(地面の上)に、堆肥をそのままバサッと敷き詰めるだけ」です!
新しくお庭にバラの苗を地植えするときは、堆肥を土にしっかり混ぜ込んで「バラの根っこがのびのび育つ、健やかな土壌」を作ってあげましょう。
一般的なお庭の土(赤土など)は、そのままでは雨が降るとカチカチに固まって水はけが悪くなったり、逆に乾くとサラサラと流れてしまったりして、バラの根っこが育ちにくい状態になっています。
さらに、こうしたお庭の奥深くにある赤土は、草の種や病気の菌がいない代わりに、バラの成長を助けてくれる「微生物」や「栄養分(肥料気)」も全く含まれていません。つまり、植物にとっては「栄養のない、生きていない土」なのです。
ここに堆肥をプラスします。掘り上げたお庭の土に完熟堆肥をしっかりと混ぜ合わせることで、土に豊かな微生物と栄養分が吹き込まれ、「水はけ・水持ちが良く、バラの根が喜ぶ生きた土」に生まれ変わります。
YouTubeのコメント欄などでもよくいただく、堆肥にまつわる疑問に園主がお答えします。
* 質問①:堆肥をまく前に、周りの雑草は抜いたほうがいい?
園主の回答:「もちろん、草取りは綺麗にしてからまくに越したことはないですよ!」見た目の美しさもありますし、雑草に堆肥の良さを横取りされてしまうのももったいないですよね。しっかり草取りをしてから、バラの周りに優しくまいてあげてください。
* 質問②:地植えしている場所の土がカチカチです。堆肥をまく前にしっかり耕して柔らかくしなきゃダメ?
園主の回答:「無理に掘り起こして土を砕く必要は一切ありません!」硬い土の上からでも堆肥をバサッと乗せておくだけで、ミミズなどの生き物や微生物がその下へと集まってきます。彼らが土の中を動き回ることで、人間が耕さなくても、自然の力で土をフカフカに耕してくれます。自然の力を信じて、楽をしてくださいね。
バラ栽培で一番大切なのは、太陽、水、そして土壌のバランスです。これらはすべて「多すぎてもダメ、少なすぎてもダメ」という共通点があります。
完熟堆肥を上手に使えば、重労働をしてまで無理に土を深く耕す必要はありません。
バラの気持ちや自然のサイクルに寄り添って、少し足りないくらいの量からアプローチしていくこと。それができるようになると、バラ育てがどんどん楽しく、上手になっていきますよ。
少しずつ経験を重ねて、お庭のバラを美しく咲かせてみてくださいね。
▼YouTube本編はこちら
【初心者さんへ】堆肥の基本/使い方 土壌改良 堆肥って何?
▶こちらも合わせてご覧ください。動画 【農家直伝】バラの地植えの方法の基本 培養土を使う、自分でブレンドする をご確認ください。
「肥料を全くあげなくても、バラがすぐに枯れることはない」と園主はいいます。顔色(葉の色)が少し悪くなるくらいで、致命傷にはなりません。
本当に怖いのは「あげなさすぎ」ではなく、実は「あげすぎ(過剰摂取)」なのです。必要以上の量を与えてしまうと、バラには以下のような障害が出てきます。
* 葉焼け・根焼け:土の中の肥料濃度が高くなりすぎると、デリケートな根が傷んでしまいます(※詳しい仕組みは次の章で解説します)。そのSOSサインとして、葉の周りがだんだん茶色く焼けたように変色してしまいます。
* 木ボケ(きぼけ):肥料に含まれる「窒素(チッソ)」は枝葉を伸ばす栄養素です。これが多すぎると、枝ばかりが異常にどんどん伸び、葉っぱが巨大化し、肝心の「花を咲かせるモード」に株が切り替わらなくなってしまいます。
* 病害虫に弱くなる:窒素過多で急激に伸びた枝葉は、組織がとても柔らかくなります。すると、虫たちにとって「柔らかくて食べやすい格好の的」になってしまい、虫が寄り付きやすくなります。
園主は動画の中で、強い化成肥料について「ナトリウム系統なのかな、塩分というか、傷口に触るとピリピリするような強い刺激がある」と表現しています。
「根焼け」という言葉を聞くと、まるで土の中で根っこが熱を持って燃えてしまうようなイメージがありますよね。でも、実はそうではないんです。正体は、根っこが「水分をギューッと吸い取られて、カラカラに乾いてしまう現象(浸透圧)」を指します。
植物の根っこは、土の中の水分を吸い上げて生きています。しかし、土に肥料をドバッとたくさん入れてしまうと、土の中の栄養成分がバラの根っこの中よりも、はるかに「濃い状態」になってしまいます。
自然界には「濃いものがあると、それを薄めようとして水分が引っ張られる」という不思議な性質があります。
土が濃くなりすぎると、この性質のせいで「根っこが水を吸う」のとは逆に、「根っこの中にある大切な水分が、濃い土のほうへとどんどん吸い出されてしまう」という逆転現象が起きてしまいます。
分かりやすいのが、ナメクジに塩をかけると縮んでしまう状態です。塩分という「濃いもの」に水分を奪われているのですが、これと全く同じことがバラの根っこで起きてしまうのです。
水分を限界まで奪われた根っこは、細胞が破壊されて死んでしまいます。
園芸で「根腐れ」というと水のやりすぎ(酸欠)をイメージしますが、このように肥料のやりすぎで根の細胞が死んでしまった場合も、最終的には死んだ根が土の中で黒く腐っていくため、同じ「根腐れ」の状態になってしまうのです。
※根腐れについて詳しい動画はこちら
お店に行くと色々な肥料が並んでいますが、大きく分けると「化成肥料」と「有機肥料」の2つがあります。それぞれ性質が全く異なります。
* 化成肥料(化学肥料):鉱物などを化学的に製造したものです。成分(チッソ・リン酸・カリ)がしっかり数値化されており、パッと効く「速効性」が強みです。ただし、そのぶん濃度が高いため、量を間違えるとすぐに株を傷める難しさもあります。
* 有機肥料:油かすや牡蠣殻など、自然界にあるものを利用した肥料です。こちらは土の中で微生物によって発酵・分解されて初めて効果が出ます。効果が「穏やか」なので大失敗しにくいのがメリットです。
多くの園芸書には「植え付けや植え替えの時には、土に元肥(もとごえ)を混ぜましょう」と書いてありますよね。しかし、篠宮バラ園では元肥は基本的には入れません! これが一番失敗しない秘訣です。
市販されているバラ用の「培養土(倍土)」には、牛糞や腐葉土、ピートモスなどがバランスよく配合されており、すでに微量の栄養がきちんと含まれています。
お庭に新しく植え付ける苗や、鉢を大きくする植え替え直後のバラは、人間で言えば手術が終わったばかりのような状態。そこに強い化成肥料などを混ぜ込んでしまうと、新しい根がすぐに焼けてしまいます。
また、「穏やかな有機肥料なら土に混ぜても大丈夫では?」と思いがちですが、これも避けてください。
有機肥料は、土の中の微生物に分解されることで初めて栄養に変わるのですが、土の中でその分解がスタートすると、実はかなりの「熱」と「ガス」が発生します。
逃げ場のない土の中で熱がこもると、バラのデリケートな根っこがまるで「お湯で茹でられたような状態」になってしまい、呼吸ができずに弱ってしまうのです。
「じゃあ、後からあげる肥料は何がいいの?」という初心者の方に園主が太鼓判を押すのが、当園の生産現場でも長年愛用している「IB肥料」です。
バラ栽培で一番大切なのは、太陽、水、そして肥料のバランスです。これらはすべて「多すぎてもダメ、少なすぎてもダメ」という共通点があります。
「乾ききっていないのに、早く大きくなってほしいからと毎日水をあげる」
「まだ栄養を吸えない状態なのに、よかれと思って肥料をたくさんあげる」
これらは人間の都合であって、バラの気持ちには寄り添えていませんよね。
バラが「あぁ、水が乾いて喉が渇いた!お水が美味しい!」「しっかり根が張ったから、そろそろ栄養が欲しいな!」というタイミング(気持ち)を見極めて、少し足りないくらいの量からアプローチしていくこと。それができるようになると、バラ育てがどんどん楽しく、上手になっていきますよ。
少しずつ経験を重ねて、お庭のバラを美しく咲かせてみてくださいね。
こんにちは、篠宮バラ園です。
バラ栽培において、多くの方が頭を悩ませるのが「うどんこ病」や「黒星病(黒点病)」といった病気の対策ではないでしょうか。「毎回のスプレー消毒に手間がかかる」「できるだけ手軽に、かつ効果的に病気を予防したい」というのは、共通の願いかと思います。
今回は、当園のYouTubeチャンネルでもお馴染みの、KINCHO園芸(旧住友化学園芸)の“牛ちゃん”にお聞きした、病気専門の予防薬「マイローズ ベニカBT殺菌粒剤」の特徴や効果的な使い方について、分かりやすく整理してお届けします。
虫と病気の両方をカバーする定番の粒剤として「ベニカXガード粒剤」が広く使われていますが、こちらは年間の使用回数が「4回まで」と制限されています。そのため、春先と秋口に使うと、その間のシーズン(初夏から夏)には使用できないという課題がありました。
その課題を補い、間を埋める存在として活用されているのが、病気専門の予防薬「ベニカBT殺菌粒剤」です。
お薬の名前に付いている「BT菌」という言葉、初めて聞く方には少し難しく感じられますよね。
一言でいうと、BT菌とは化学合成された成分ではなく、「自然界にむかしから存在している安心な微生物(細菌)」のことです。実は、私たちが普段よく食べている「納豆菌」の親戚のような生き物でもあります。
お薬のパッケージの裏(成分欄)を見ると、正式には「バチルス チューリンゲンシス菌の生芽胞(せいがほう)及び産生結晶毒素(さんせいけっしょうどくそ)」と少し難しい名前で書かれています。
これは簡単に説明すると、以下のような2つの要素でできています。
「毒素」と聞くとドキッとしてしまいますが、この毒素はイモムシやアオムシのアルカリ性の胃袋に入ったときだけ反応して、お腹を壊させるという性質を持っています。
人間や犬・猫などの哺乳類の胃袋は「酸性」のため、この毒素はまったく反応せず、そのまま消化されてしまいます。そのため、特定の虫にだけ効いて、人やペットには非常に安全な成分として認められているのです。
園芸や農業の世界ではとても歴史があり、もともとは安全な虫除けとして長く使われてきました。しかし研究を重ねる中で、「この菌をバラの株元にまいておくと、なぜか病気にかからなくなる」という効果が発見され、現在の予防薬としての活用につながっています。
商品名に「殺菌」という言葉が入っていますが、実は植物に付着した病原菌を直接殺す成分ではありません。
日本の農薬のルール(法律上の分類)では、病気を防ぐお薬はすべて一括して「殺菌剤」と呼ぶ決まりになっているため、このような名称になっています。
実際の働きは、人間の予防接種に近い作用です。粒剤(BT菌)を土にまくことでバラの根に刺激が伝わり、植物全体に「病気に備えよ」という指令(抵抗性誘導)が行き渡ります。これにより、バラ自体が自らの「抵抗力(免疫力)」を底上げし、病気にかかりにくい体質を作ります。
すでに発病してしまった葉を治す「治療効果」はないため、公式ページにもある通り、あくまでも病気が出る前の「発病前(初期予防)」に使用することが大切です。
「ベニカXガード粒剤」と「ベニカBT殺菌粒剤」を上手につなぎ、年間を通して病気をブロックするためのスケジュール案です。
※バラの生育や害虫の発生時期は、お住まいの地域やその年の気候によって異なります。以下のスケジュールはあくまでも目安としての参考例ですので、ご自身の庭の様子に合わせて調整してください。
| 時期・タイミングの目安 | 使用する薬剤 | 目的とポイント |
|---|---|---|
| 春先(4月〜5月頃) ※ソメイヨシノの開花が目安 |
ベニカXガード粒剤 (年4回制限のうち2回分) |
春先に一斉に増え出すアブラムシなどの害虫を抑えつつ、初期の病気もダブルで予防します。 |
| 初夏〜夏(間を埋める期間) | ベニカBT殺菌粒剤 | ガード粒剤が使えない期間を埋めるため、3週間〜1ヶ月おきに定期的にまき、夏場の病気への抵抗力を維持します。 |
| 秋ごろ(10月〜11月頃) | ベニカXガード粒剤 (残りの2回分) |
気温が下がり、再び害虫(アブラムシ等)や病気が活発になる秋のバラをしっかり守ります。 |
※もし途中でうどんこ病や黒星病が発生してしまった場合は、粒剤ではなく「ベニカXネクストスプレー」や「マイローズ殺菌スプレー」などの、菌を直接殺菌できる治療用スプレーで対処してください。
篠宮バラ園のInstagramで募集した、皆様からの具体的な質問について牛ちゃんに解説していただいた内容です。
A. どちらも同じBT菌を含んでいますが、「用途(登録)」と「製法」が異なります。
ナチュラルスプレーに配合されているBT菌は、主にイモムシなどの害虫をターゲット(殺虫成分)として登録されています。一方、BT殺菌粒剤は「植物に抵抗力をつけさせて病気を予防する(殺菌成分)」として登録されています。また、液体の中では腐敗しやすい生きた菌を、独自の技術で乾燥(休眠状態)させて日持ちするように作られているのも粒剤の特徴です。
A. 併用自体は問題ありません。
オルトランは害虫用、BT殺菌粒剤は病気用ですので、お互いの効果を補い合えます。ただし、同時に混ぜてまくのは避けてください。オルトランを土に混ぜ込んだあとに、BT殺菌粒剤を上からばらまくなど、直接触れ合わない工夫をしていただくと安心です。
A. はい、水やりをしてください。
土の表面に置くだけでなく、水がかかることで粒の中の菌が土壌へ染み込んでいき、根に作用します。風で飛ぶのを防ぐ意味でも、散布したタイミングで軽くお水をかけるのが確実です。
A. 植物や哺乳類に対する安全性は非常に高い成分ですが、取り扱い時の接触には注意が必要です。
BT菌そのものは自然界にいる微生物なので、万が一少量口に入ってしまってもお腹を壊すような強い毒性はありません。ただし、本剤は「眼や皮ふへの刺激性」があるため、特に肌の弱いや方やお子様が直接触れると、かぶれの原因になることがあります。安全のため、散布する際は手袋や長袖を着用し、まいた後は表面の土を軽く混ぜて、ペットやお子様が直接粒に触れないようにしておくとより安心です。
「ベニカBT殺菌粒剤」をローテーションにうまく取り入れることで、重い噴霧器を用意したり、頻繁に薬剤をスプレーしたりする肉体的な負担を大きく軽減することができます。
「いかに無理なく、長く家庭園芸を楽しめるか」を考えて作られた、非常に現代的なアプローチの薬剤だと感じます。
ぜひ皆様のバラの管理計画の参考にしていただければ幸いです。より詳細な開発秘話や、土壌の微生物に関するマニアックなお話に興味がある方は、ぜひYouTubeの動画本編も合わせてご覧ください。
こんにちは、篠宮バラ園です。
バラを育てていると、梅雨の時期や新芽の季節に葉が白くなっているのを見つけて「うどんこ病になっちゃった!」と不安になることはありませんか?
実はその白い跡、バラ園から届いた苗やしっかりと手入れされた株の場合、病気ではなく「病気を予防するための薬剤の跡」かもしれません。
今回は、バラ生産プロの視点から、勘違いしやすい「薬剤の跡」と「うどんこ病」の決定的な違い、そして実際に農家が使っている優秀な薬剤や、病気に対する心持ちについて分かりやすく解説します!
お客様から「届いた苗の葉に白いものがついているのですが、うどんこ病ですか?」というお問い合わせをいただくことがあります。
結論から言うと、これはうどんこ病ではなく、農園で定期的にしっかりと散布された「薬剤(殺菌剤)の跡」です。
プロが病気予防に使う「水和剤(粉末の薬を水に溶かすもの)」などは、水に溶かすと白い液体になるものが多いです。これをバラ全体に散布すると、水滴が葉の先端や低いところに溜まりますよね。その水分が乾いたときに、成分である白い粉だけが綺麗に残るため、そこだけ濃く白く見えてしまうのです。
つまり、この白い跡は「病気が出ないように、生産現場で事前にしっかり防除(予防)した証」なんです。
専門家が見れば一目で分かりますが、形や状態が全然違います。
「白いから病気だ!」と慌てずに、葉がよじれていないか、水滴の跡のようになっているかを総合的に観察してみましょう。
では、実際にプロの現場で使用している優秀なお薬をご紹介します。
園主が「とっても優秀!」と太鼓判を押すのが「エコピタ」です。
※「エコピタ」は農協(JA)さん以外では少し手に入りにくい場合があるため、一般のホームセンター等では同じでんぷん成分の「粘着くん」が手軽でおすすめです。
これらはプロも定期的に使用している定番の殺菌剤・予防薬です。
もし実際にうどんこ病が出てしまったら、初期対応が何より大切です。お薬を撒くときは、以下のプロのテクニックを意識してください。
バラを育てていると、葉が白くなったりして「もうこのバラは終わりだ…」とショックを受けてしまう方もいます。
でも、バラ生産50年以上のプロから言わせれば「植物なんだから病気が出るのは当たり前」です。人間だって風邪をひきますよね。大切なのは、出たからといってパニックにならず、「初期段階で正しく対処してあげること」です。
バラの病害虫トラブルには「致命傷になる危険度のランク」があります。
▶ブログ記事 本当に枯れてしまう病害虫の(致命傷になる)危険度について
そう、うどんこ病は一番下のランクです。見た目は少し悪くなりますが、葉がバサバサ落ちるわけでもなく、株自体が枯れてしまうことはまずありません。
普段から株を元気に、丈夫に育てる環境づくりを意識しつつ、お薬を上手に使って、肩の力を抜いてバラの栽培を楽しみましょう。
YouTube動画はこちら